きょうは、父の祥月命日。
七回忌の法要を、きのう無事済ませた。
父が亡くなる直前のゴールデンウィーク、日田に出かけた。
本当は、佐賀方面に向かう予定だったのだが
「渋滞40km」という表示を見て急遽、目的地を変更した。
父と母は、日田には幾度と無く通ったらしい。
豆田町が父のお気に入りだったらしいが、何に惹かれていたのかはわからない。
道中、父が「鰻にするか、蕎麦にするか」と繰り返し呟いた。
透析の体重制限を気にして、
食べることにあまり積極的ではなかった父にしては珍しいことだった。
結局、蕎麦を食べることに決め、訪れたのが草八。
自家製粉にこだわった安全で安心な蕎麦が人気の店らしい。
オーダーしたのは「上町弁当」。
天ざるに前菜と甘味がついて2,000円。
蕎麦の味はよく覚えていない。
ただ、今にして思えば、
この日をきっかけに、私の蕎麦への関心が一気に高まった気がする。
それまでは、蕎麦は大人の、しかも関東人の食べものだと思っていたから。
ということは、この店のそばは興味深かったんだろうね。
今食べたらどんなふうに感じるんだろうか? もう一度行ってみたい。
そういえばこの時、珍しく父が全部平らげたのが印象的だった。
元々好き嫌いが多いし、体重を気にして残すのが常だったのに。
街のはずれにある薫長酒造が見学できるというので覗いてみる。
下戸の父は全く興味なし。
運転のため利酒は我慢して、美味しそうな酒とグッズを購入。
豆田を離れた後、小鹿田焼の里である皿山に向かった。
元々、焼物好きは母の方だが、度重なる豆田通いで父も興味が湧いたらしい。
小鹿田焼は、県境を挟んだ筑豊の小石原焼に通じる焼物。
小石原焼同様、飛び鉋や刷毛目などの技法が特徴的で
小石原焼に比べるとやや野暮ったいといわれるが、
温かみのある風合いが、生活雑器としては使いやすい。
柳宗悦が「日田の皿山」と題して評価する内容の一文を発表したり、
バーナード・リーチが滞在して作陶したことなどから
日本全国や海外にまで広く知られるようになったそうな。
陶土を粉砕する唐臼と呼ばれる装置を中心とした集落の景観は
日本の音風景100選にも選ばれているらしい。
この日は、真夏を思わせる強烈な日差しと暑さで さすがに父はきつかったらしく、
駐車場で車から出ずに待っていた。
今にして思えば、心臓が限界に近かったろう。
蕎麦処 草八 日田本店
大分県日田市豆田町12-4
TEL 0973-24-6337
営業時間 11時~21時ラストオーダー 不定休
日田玖珠地域産業振興センター
TEL 0973-22-3115
小鹿田焼同業組合
TEL 0973-29-2467